無料ブログはココログ

PIOの新ブログ

« トップランナー・小菅優 | トップページ | 池井戸潤の銀行小説 »

2007年2月 2日 (金)

ベートーヴェンの不滅の恋人

070201beetoven 久々のブック・レビューです。

青木やよひ『ベートーヴェン<不滅の恋人>の探求』

ベートーヴェンの死後、彼の秘密の引き出しから見つかった手紙の相手、そこで<わが不滅の恋人>と呼びかけられている女性は誰か、を巡る論考です。

内容の詳細は省きますが、びっくりしたのは、当時の資料がさまざまに残っているという事実です。

・警察記録:どこの誰がいつ警察管区内に到着したか、どのホテルに宿泊したか等
・新聞記事:貴族階級の人や有名人の動向
・手紙
・日記:ベートーヴェン自身のもの、つきあいのあった人々のもの
・ホテルの湯治客名簿
・ベートーヴェンの筆談メモ
等等。

で、これらの資料に逐一あたり、推理を展開していくわけですが、

・私信やメモ類は、差し障りありと判断されたものに限り、処分されている
・関係者が生存する時代に行われた聞き取り調査では、差し障りがありそうなところはぼかして発表されている

という立場をとり、資料が「抜け落ちている」部分を特定し、その背景を探り、推理は盛り上がります。
さらに2001年に至って、新資料が発見されるのですから、ほんと歴史って面白い。
旧東側に所蔵され、顧みられていなかったものが今になって出てきた、というのです。

ということで、この論考で着目されている二つの年代

★恋愛が盛り上がり、恋文が書かれ、事態が急展開して悲恋に終わった1812年
★二人の間が再び近づいたものの、やはり結ばれなかった1817年

に注目してみると、この間にベートーヴェンの曲想も大きく変わっているとか。
ロマン・ロランはこの時期のベートーヴェンについて「彼はこの4年間に人間が変わってしまった」と書いているそうです。
これからベートーヴェンの作品を弾く機会があったら、今まで以上に作曲年代にも注意を払ってみようと思います。

« トップランナー・小菅優 | トップページ | 池井戸潤の銀行小説 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/102918/13754650

この記事へのトラックバック一覧です: ベートーヴェンの不滅の恋人:

« トップランナー・小菅優 | トップページ | 池井戸潤の銀行小説 »