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2017年3月28日 (火)

バッハ一族とその音楽 第12回

spade第12回 近現代の作曲家 今日のバッハ1
(3月22日放送)

モダンピアノが完成したのは1850年ごろ(ショパン1829年没)。
ただし、普及するまでタイムラグがあるので、
実際に演奏されるようになったのは、1900年前後から。

ショパンやリストは、今でいうアンティークピアノの最盛期に活動。
20世紀に入り、ラフマニノフ(1873年生まれ)、スクリャービン、
フォーレ、ドビュッシー、ラヴェル(1875年生まれ)等が、
モダンピアノの能力を引き出した。
こうした作曲家たちが皆バッハを弾いていたことに注目したい。

1920年代 第一次大戦後、「古典へ帰ろう!」古典回帰運動

・パッハマン(1848年生まれ)の演奏(1920年代の録音)
バッハ「イタリア協奏曲」
 テンポ自由自在、自分の強調したい音を打ち出す
ショパン エチュード
 ショパンの左手を現代風にアレンジしたと宣言して演奏

・ローゼンタール(1930年の録音)
ショパンのマズルカ=ロマンティック。主観的でこってりしている。

・ホロヴィッツ(1935年の録音)
ショパンのエチュード=端正。楽譜に忠実でクール。
バッハの曲=同上→日本の評論家は「音楽ですらない」と酷評

・アントン ウェーベルン(シェーンベルクの弟子)
一つの旋律をどんどん楽器を変えて演奏していく(1935年の録音)
音楽を小さい単位に分けていくという考え方=科学的アプローチ

・ドルメッチ(1858年生まれ) クラヴィコードで平均律を全曲録音
古楽の楽器で演奏しようという発想

・ランドフスカ(1879年生まれ)の録音・録画
ハイフィンガー奏法 テンポが揺れない


<まとめ>
ショパンやリストの時代には譜面通りに弾くなんて考えらず、
自由にアレンジするのが当たり前だったが、
第一次世界大戦で傷ついた1930年代には、
未来を切り開いていくような、メカニカルでクールな演奏が好まれた。

2017年3月27日 (月)

これぞ暁斎!

20170326_085207630_ios_2 ゴールドマン コレクション
これぞ暁斎!

@Bunkamura ザ・ミュージアム

昨年も同時期・同じ場所で
国芳・国貞の浮世絵を鑑賞していました。(→
外国所蔵のものの展示っていうのも共通していますね。

20170326_085156303_ios 暁斎って、なんだか弾けた人で、幽霊とか描いた人でしょ?
といった程度の予備知識しか持ち合わせていませんでしたが、
江戸時代だけでなく
明治時代に入ってからも活躍した人だったのですね。
イギリス人の弟子がいた、とか
黒船、西洋人なども画題にして描いていた、とか
正統派の仏画にも精力を注いでいて傑作が多い、とか
初めて知りました。

色鮮やかな絵、細かいところまで凝った絵、
正統派日本画家のような絵、見事な写実性を見せる絵、……
その守備範囲の広さにもびっくりです。

そんななかでも、
ささっと一筆に書いたような動物(象、蛙、猿、…)が、
実に生き生きとしていることが、 一番印象に残りました。

2017年3月26日 (日)

未来よ こんにちは

20170326mirai 主演のイザベル・ユペールって、素敵なのよ!
と友人に誘われて、
以前に見た「アスファルト→」の女優さん役の人!たしかに素敵♪
と、足を運びました。

予備知識なしに見たのですが、
ユペールの役どころは、高校の哲学の教師。
まずは、そのフランスの高校の授業のありようにビックリでした。
まさに教師と生徒が同等に、哲学について丁々発止でやりあう様子に。
また、屋外で寝そべりながら、くつろいで語り合う様子に。
教師に緊急電話が入れば、即・授業終了とすることも可能で、
口早に今後の予定や課題を与えて立ち去る教師に、挨拶しつつ見送る生徒。
ううむ。大人な関係。

ビジュアル的にも楽しめました。
教師夫婦のパリの自宅が、なんとまあセンスのよくしつらえてあること!
また、ブルターニュの海辺の別宅(夫の実家)の庭、海の自然。

愛弟子の若い研究者が移住したアルプスの雄大さ。

そして、音楽。
シューベルトの歌曲「水の上で歌う」が印象的でした。
古いアメリカのポップス(ボブ・ディランの師匠格の歌手とか?)も効果的。

ストーリー的には、夫婦関係も、親子関係も、
晴天の霹靂といった経緯で断ち切られ、孤独になっていくユベールを描く
といったものですが、
さすが彼女、颯爽としていて素敵でした。
どうやったって世代は次へと進んでいくのよ、自由を楽しまなくちゃ!
…とでもいいましょうか。ううむ。今後の人生、かくありたし!

2017年3月25日 (土)

ミュシャ展(スラヴ叙事詩)

国立新美術館のミュシャ展へ行ってきました。
大作・スラヴ叙事詩が話題で大混雑……という噂でしたが、
午後4時半ごろに行ってみたらば、全く待たずに入れました。scissors
鑑賞後のショップでのお買い物も、会計待ち時間ナシ。
(cf. 草間弥生展は会計に長蛇の列。30分待ちとの表示でしたcoldsweats02

さて、展示です。
やはり、大きな大きな20枚の作品群・スラヴ叙事詩は圧巻でした。
音声ガイド、おすすめです。
ミュシャ(本来、ムサ、との発音なのだとか)の熱意、使命感が、
ビシバシ伝わります。
宗教に戦争(侵攻)に弾圧……歴史ってそういうものなのですね。
そんな中、虐げられる人々が思いを託したのが「芸術」
……という文脈で描かれる絵が多々あり、なるほどと思いました。

さらに、ミュシャが
チェコ独立を宣言する場となった市民会館の天井画や壁の絵、
パリ万博のボスニアヘルツェゴビナ館のデザイン等等、
市民生活と密接にかかわる場で、主張を持って活動していたことを
初めて知りました。
これまで、乙女チックなポスター画家
といった印象しか持っていませんでしたが、なんとも浅い理解でした。

写真撮影可の区画(画像はここで撮影)があったのにもビックリ。
とっても中身の濃い展覧会でした。

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2017年3月24日 (金)

シフ ピアノ・リサイタル"The Last Sonatas"

20170323 サー・アンドラーシュ・シフ
ピアノ・リサイタル "The Last Sonatas"

2017年3月23日(木)19時開演 21時40分終演
東京オペラシティ コンサートホール

<プログラム> (休憩なし)
最後のソナタ

モーツアルト: ピアノ・ソナタ第18(17)版 二長調 K.576

シューベルト: ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D960

ハイドン: ピアノ・ソナタ 変ホ長調 Hob.ⅩⅥ:52

ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 op.111

(アンコール)

J.S.バッハ: ゴルトベルク変奏曲 BWV988 より アリア

J.S.バッハ: パルティータ第1番 BWV825 より メヌエット

ブラームス: 3つの間奏曲 op.117-1

ハンガリー民族舞曲より

モーツアルト: ピアノ・ソナタ K.545 第1楽章

シューベルト: 即興曲 op.90-2

シューマン: 「楽しき農夫」op.68-10(子供のためのアルバムより)

***************

天上の音楽でした。

作曲家がシフ氏の身体を借りて、この世に戻ってきた?
なぜ、曲によってこんなに音色が変えられる?
ほんとにこれ、ピアノの音?

そういった、ぼんやりした「?」をポワンと頭に浮かばせつつ、
最上の音楽が漂う空間に身を置く幸せ。
今までに体験したことのない、異次元の空間でした。

・快活に談笑するようなモーツアルト。

・心の奥底に沈潜していくようなシューベルト。

・温かさに満ちたハイドン。

・絶望を乗り越え、光を見出すドラマのようなベートーヴェン。

これらすべてを、休憩なしで演奏し、
曲ごとに全く異なる空間を作り上げてしまうシフ氏は
ピアニストというよりも、音楽界の教祖様のようにさえ見えました。

そのうえ、アンコール演奏、7回。
2時間40分ノンストップで、まったく疲れも見せず微笑みを浮かべる
シフ氏の穏やかなたたずまい、
すべてが、異次元に思えました。

おそらく、後世まで語り継がれる演奏会になるのでは
と思います。

2017年3月23日 (木)

春休みの女子会2017

20170322_110614586_ios 長期休みになると集う、お仕事仲間4人の女子会。
この時期は例年、お花見かねて、なのですが
いろいろ事情があって今回は前倒しに。
二子玉川のベトナム料理店&喫茶店でのおしゃべり三昧となりました。

おなかに溜まる「はらふくるるわざ」を開陳&共感しあい、
代わりに、美味しいものをいっぱい詰め込んで、
いつもながらの幸せなひととき。。。

ほんと、持つべきものは友であります。(画像は〆の金柑タルトdelicious

2017年3月22日 (水)

バッハ一族とその音楽 第11回

spade第11回 歌うピアノ(クリスティアンからモーツァルト) バッハ以後の二つの潮流2
(3月15日放送)

バッハの末息子、クリスティアン・バッハの音楽は
モーツァルトへ続く「歌うピアノ」の性格を持つ。 cf.「怒涛のピアノ」(第10回)

<モダンピアノの流れ>
ジルバーマンピアノのアクションはモダンピアノに非常に似ていて、
モダンピアノでは中間レバーを少し改善しただけに見える。
ジルバーマンタイプは多彩な音が出せるまでに進歩していたが、
メンテナンスが大変で一般普及用としては不適格なため、紆余曲折あり。

(A)メインストリーム : ジルバーマン型をシンプルに戻したイギリス型ピアノへ。それがフランス、ドイツへと伝わってさらに進化した。
(B)ウィーン周辺のみ : 別の形で発展。ここにモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトがいた。音楽史的にはここがメイン。

クレメンティ(イタリア生まれ。不遇な境遇から努力を重ねて音楽家の道を切り開き、イギリスで活躍)は(A)のピアノを使用していた。
モーツァルトが使用したのは(B)のピアノと思われていたが、最近の研究により、モーツァルトの時代のウィーンピアノは(A)のタイプのアクションだったことが判明。
ベートーヴェン、シューベルトの時代になって、(B)タイプのワルターピアノ(音色を変えるレバー付)で、月光ソナタ、即興曲などが演奏されたと思われる。


モーツァルトはクレメンティを酷評「歌うピアノが弾けない」「機械的な演奏」
ベートーヴェンはモーツァルトの演奏を「切れ切れの演奏 レガートにできない」
モーツァルトはアウルン・ハンマー嬢の演奏を評して「切れ切れの演奏」
down
「ダメな演奏」を評するときに誰もが皆同じ言葉を使う
「レガートではない!」「切れ切れ」

ピアノで、どこまで歌えるのか!が、永遠のテーマ。
このことを最初に言った人がバッハ。
「カンタービレの演奏を学んでほしい」「歌うように」と指示。
レガートとは、音そのものは切れていても「音楽的につながっている」こと。
その解釈は微妙な問題。鍵盤奏者にとっての課題。

【バッハが後世に与えた影響】
・古典派
「歌うアレグロ」を発明した。
バッハのシンフォニアのメロディー≒モーツァルトのピアノソナタ
バッハのフーガ≒モーツァルトのフーガ
(クレメンティもモーツァルトもバッハの平均律の楽譜を所持。実際に練習しただろう。)

・ショパン
 ショパンは自分の曲よりもバッハの平均律をよく練習していた(弟子の記録)。
 対位法的にできている曲(例えばマズルカ39番)はバッハのフーガの影響あり。

・チャイコフスキー
 バッハのフーガを弾くと、新しいアイデアが生まれる(本人の日記)。

最後のひとこと:
ピアノに「カンタービレ」の味付けを求めすぎ、味付けが濃くなりすぎた結果、
シンプルなものへという回帰現象が起き、近年の古楽ブームに至るのではないか。

お昼のピアノコンサート:田中梨央

アプリコ お昼のピアノ・コンサート 
vol.52 田中梨央

2017年3月21日(火)12:30開演 13:45終演
大田区民ホール・アプリコ 大ホール

《プログラム》
スカルラッティ : ソナタ ホ長調 K.380/L.23
スカルラッティ : ソナタ ニ短調 K.9/L.413
ハイドン:    ピアノソナタ 二長調 Hob.ⅩⅥ:42
デュティユー: ピアノソナタ 第三楽章 「コラールと変奏」

レオンカヴァッロ : 朝の歌 (共演:工藤翔陽・テノール)
レスピーギ :  最後の陶酔 (共演:工藤翔陽・テノール)
ガスタルドン : 禁じられた音楽 (共演:工藤翔陽・テノール)
ワーグナー/リスト : イゾルデの愛の死 S.447
ショパン  :      幻想曲 ヘ短調 Op.49

(アンコール)
カルディロ : カタリカタリ (共演:工藤翔陽・テノール)

*************

52回目(回数にびっくり!)にして、このシリーズ初めて
という
共演者を呼んでのコンサート。
これがとても効果的だと感じました。
プログラムにメリハリがでて、楽しめました。

音楽大学3年生の授業で、歌曲の伴奏という授業に出会い、
そこで開眼してのめりこんだ、
1年間で50曲ぐらい練習した…
というお話でしたが、その熱意の伝わる伴奏ぶり。

柔らかく、さまざまな色合いを変えるピアノ音色に好感が持てました。
特に、前半のバロック時代の曲、
そして、歌の伴奏としてのピアノ演奏について。

演奏者の個性が伝わる、いいプログラム&演奏だったと思います。

2017年3月21日 (火)

萩原家住宅&ミニコンサート

昨日、世田谷区の登録有形文化財の住宅見学に行ってきました。
一般公開されるのは初めてとのこと。

設計者の方のお孫さんから、建築学上の着目点などについて
興味深いご説明を受けながら、1時間弱にわたり
中庭、玄関、書斎、増築された2階部分、
居間、台所、子ども部屋、寝室、
そして、増築された音楽室を見学。

プレーリー様式……和訳すると草原様式?というのは、
広々とした空間に立つ建築で、横のラインを強調した様式とのこと。
今は住宅地となっている世田谷が、
1924年(大正13)当時には近くに家の少ない地域であった
ということがしのばれました。

また、洋と和の融合として、
ステンドグラスの代わりに、意匠を凝らした木枠にガラスをはめる工夫や、
低い天井と高い天井の使い分け(部屋ごと、一つの部屋のコーナーごと)、
白い漆喰の採用、天井の四隅の扱いの工夫などが用いられたことに
なるほど~と納得しました。

(見逃してしまいましたが、TV番組「百年名家」で放映されたそうで、
この番組サイトで、三部屋の360度ビューが見られます。)
今回はこの三連休の間限定の公開でしたが、
今後も公開の予定はあるようです。→Atelier HAGEWARA

見学会のラストを飾るのは、音楽室でのミニ・コンサート。
チャイコフスキー国際コンクールのテレビ番組や、
浜松国際ピアノコンクールのネット中継でお見掛けしたことのある
犬飼新之助さんのピアノと、
東京芸大の学生さんで現在ドイツ留学中という
大杉花奈さんのヴァイオリン。

素敵な空間で間近に聴く、まさにアットホームな上質のアンサンブルに
至福のひとときでした。

【プログラム】

(ヴァイオリン&ピアノ)
サラサーテ: カルメン幻想曲より抜粋

(ピアノソロ)
カプースチン: 練習曲 
ガーシュウィン(アール・ワイルド編曲): 
 エンブレイスブル・ユー(ミュージカル「ガール・クレイジー」より)

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2017年3月19日 (日)

在来線でGO

昨日、今日と、北関東まで一泊で研究会参加。
新幹線を使う人が多いけれど、
1時間強の差なら、節約しようじゃないか!という気になって
在来線に延々乗ってみました。。。

土曜早朝は、乗客もそう多くなく、2時間強ずっと座って終点まで。
「座席が固いと、腰が痛くなるなあ…。」
なんて思いつつ下車。
広いバスターミナルで、バスの時刻表を見上げて唖然。
1時間に1本???
多くの系統のバスが通るという案内に、すっかり油断していました。

でも、幸い道路がすいていたため、遅刻は免れました。
後になってわかったのですが、
三連休初日の昨日、新幹線は通勤ラッシュ並みの混雑だったとのこと。
在来線作戦は正解だったのでした。happy01

東京では、守衛さんもバスの運転手さんも、
すっかり「笑顔のサービス業従業者」へと変貌を遂げたように思いますが、
今回、久しぶりに、昔ながらの「つっけんどん」対応を体験。

20170319_031517637_ios 「あの、○○はどちらになりますか?」
「ああっ?そこ、まっすぐ行って、左。」
「えっと、ずっとまっすぐ行くんですね」
「そこ!そこのカーゲートのとこ、左。」
「えっと、カー、なんですか?どこですか?」
「カーゲート!!」

なんか、レトロな気分になりました。
研究会もレトロな内容のものなので、ちょっとタイム・トリップしてきた気分。

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